デコトラ好きが高じて拡がったSNS。等身大のトラックへの愛と未来につなぐドライバー育成への想いとは。

今回、取材させていただいたのは、株式会社敬愛ラインで働くドライバー2名と代表の住さんです。ドライバーさんたちを取材して、とにかく感じたのは社長愛です。同様に社長も従業員に対して大きな愛を持って接しているとお話されていました。そんな相思相愛で成り立っている会社の風土についてや、Instagramでも人気のデコトラ、そして社長の会社を立ち上げた経緯まで様々なお話をお伺いしてきました。

人からは波乱万丈と言われますが、この経験が私の人生の宝物です。

代表取締役 住 敏治
『カミオン』と『トラック魂』が愛読書。中学から大のデコトラ愛好家。趣味はジェットスキーとゴルフ。いつまでも若々しくエネルギッシュにいれるよう週5でジムに通っている。

―なぜ、運送業界で働こうと思われたのですか。

父親がドライバーだったこともあって、19歳からこの業界で働いています。父の働く姿はもちろんなんですが、中学時代からデコトラになんだか無性に惹かれてしまって。その頃、ちょうど『トラック野郎・爆走一番星』も流行ってたんですよね。それもまたかっこよくて。ドライバーという仕事にかなり憧れがありました

―そこから会社設立の経緯を教えてください。

1社目の運送会社は6年程勤め、転職。2社目の会社で管理職になり、営業や運行管理、労務管理など管理側の仕事は一通りここで学びました。その後、39歳で当時在籍していた会社で代表取締役に就任。今までの成果が認められたと感じる人生でも大きな出来事でした。この会社では本当にいろんな経験をさせていただきました。普通ならそこで終わるところなのですが。当時、私は自分の力でもう一度会社を創りたいと思ったんですよね。その後、42歳の時に独立し、敬愛ラインを設立。本当にゼロからのスタートでした。そんなとき、先輩から声を掛けていただいて参加したのが現在、理事を務めている愛知貨物輸送協同組合です。ここでの出会いが今の敬愛ラインの基盤となっていますね。

―組合に参加されて大きく変化したことはあるのでしょうか。

株式会社LOOPネットワークの高木社長やティーケイエムトランスポート株式会社の川上社長との出会いが私の中ではとても大きかったですし、今でも偉大な存在です。設立した当初はティーケイエムさんのトラックを1台譲ってもらい、たった1台から始まったのですから。子会社やグループ会社というわけではないのですが、名古屋の物流を盛り上げる運送会社として仲間意識を持ってやらせていただいています。そこが敬愛ラインのルーツとなるので、今もなおトラックのカラーはティーケイエムさんのトラックカラーを継承したグリーンなんです。

若い子にトラックのカッコよさを伝えるために始めたInstagram。

―住さんがInstagramを始められたきっかけを教えてください。

大府エリアは運送会社も多く激戦区なんですよ。人が欲しいと思ったときに、なんとか差別化できないかなと思い、たどり着いたのがInstagramでした。LOOPネットワークの高木社長からも勧められて、最初は半信半疑で始めたんですよ(笑)それが今では2,000人近くのフォロワーがいて。Instagramから「働きたいんですけど…」というDMが来るようになりました。今の20代30代って車離れが進んでるって言われながらも、やっぱり一定層は車好きな子たちがいるんですよね。純粋に車がカッコイイっていうところから興味を持ってもらえると嬉しいです。

―アップされているデコトラがかなり印象的ですよね。

そうですね(笑)デコトラの投稿がやっぱり人気です。これはあくまでも趣味でやっているので、通常の業務で使用するトラックとは完全に切り離してやっています。だから結構やりすぎなくらいやっちゃってます(笑)目立ってなんぼみたいなところがありますからね。どれもすごく自慢のデコトラです。

小さいころから憧れていたトラックドライバーになれました!

2tトラックドライバー 新谷さん
2021年4月に新卒社員として入社。稼ぎたい人もプライベートを大事にしたい人もどちらも活躍できる風土が気に入っている。同世代のドライバーが多いので、休憩中はトラックのや愛車の話で盛り上がるのだとか。トラック大好きな仲間と働けて毎日充実している。

―入社したきっかけを教えてください。

私も社長と同じで父親がドライバーをしていて、ドライバーってかっこいいなーと幼少期からずっと思っていました。大学の就職活動の時、将来どんな職業に就きたいか、考えたとき思い浮かんだのがドライバーだったんですよね。卒業後、友達は一般企業へ就職していくなかで、運送業で頑張ろうと決意しました。

―憧れのドライバーになってみて、実際どうですか。

今は2t車に乗り、塗料を運んでいるのですが、体力的には思っていた以上にキツい部分もあります。最初の頃は仕事が終わって帰ると家でそのまま爆睡していました(笑)時間指定もあるので、スケジュール通りに到着しなきゃいけないと常に時間に追われている感覚もあります。ただ、トラックに積んだ荷物を配送し終えたときの達成感は何物にも代えがたいです。あとは想像していた以上に、荷主の方たちとのコミュニケーションが多いのには驚きました。1人の時間が多く、接客なんてないと思っていたので。でも、それが逆に楽しみにもなっています。今はただただ仕事になれて、早く一流のドライバーになりたい一心ですね

―新谷さんから見て、社長はどのような方ですか。

シンプルにかっこいいです。若いころからトラックに乗っていて、社長になったと聞いています。背中で見せてくれるので、その生き様にも憧れますが、従業員一人ひとりに声をかけてくださるので、親しみやすいですね。相談なんかも社長に直接するときもあるくらいです。僕が入った時は、たまたま横乗りに社長が同乗してくださったときもありました(笑)そのくらい従業員と距離が近い社長です。

30代で運送業へ転職。周りに支えられ、今は管理職を目指しています。

大型トラックドライバー 岩田さん
2017年入社。現在37歳。前職は建築業界で現場仕事だったため、異業種からの転職でリスタート。中型から会社の資格支援を利用して、大型ドライバーへステップアップに成功。

―貴社の働きやすいところを教えてください。

以前は建築業界で働いていたのですが、人間関係に疲れてしまいこの会社に転職してきました。まず驚いたのは職場の雰囲気の良さです。すごく温かくてアットホームなんですよ。年齢関係なく相談できるので、未経験で最初入った時はとても助かりました。現在は愛知から栃木への塗料の定期便を運行しているのですが、大型免許さえ最初は持っていなかったので、入社してから取得させてもらいました。大型トラックを乗り始めてもう3年になります。現在は集配の業務が多いのですが、自分で綺麗にスケジュールを組んで予定よりも早く終わったりすると達成感を感じますね。効率重視派です。また走行距離が長いので、きちんと休日はいただいていますよ。身体が資本の仕事なので睡眠はきっちりとるようにして安全運行に努めています

―今後の目標を教えてください。

媚びを売っているわけではないのですが、社長のようになりたいと思っています。前職の経営層はトップダウンで言われたことを聞くだけだったのですが、住社長はきちんと現場の声を聞いてくれるんですよ。経営層側の意見だけではなく、ドライバーの立場にも寄り添って話をしてくださるので、こちらも納得して働けています。敬愛で働いてるドライバーは、社長の人柄についてきてる人が多いんじゃないですかね。私もその1人です。ゆくゆくは現場だけではなく、運行管理の資格を取得して管理者側に回りたいと思っています。どこまでも社長の背中を追いかけていきたいですね。

若きドライバーの育成所として、私の経験を次世代へと継承していきます。

―長年ドライバーをやられていた経験から、住さんから見たこの仕事の魅力を教えてください。

やっぱり、自由なところが一番の魅力じゃないですか。常に監視されてるわけでも、管理されているわけでもないので、ある程度はドライバーの裁量で働き方が決められます。色んな所へ行けますし、昔は長距離でかなり遠くまで行ったこともあり、旅行気分で働いていました。本当に楽しい仕事ですよ。ただ、その分、荷主様の商品を預かっていますし、人命にも関わる仕事なので、常に責任感と安全の意識を持って働かなくてはいけません。自由とは裏腹に危険も伴うので緊張感もありますよ。

―住さんが今、一番力を入れられていることは何ですか。

教育ですかね。うちの会社は若手が結構多いんですよ。20代だけで25人在籍しており、30代を含めると全体の6割程度になるんですよね。未経験で免許を持ってない子もたくさんいます。うちでドライバーデビューする子が本当に多いですね。ちょっとしたドライバーの育成所みたいになってますよ(笑)一度、働きに来てくれた子たちはファミリーだと思ってるので、失敗したらちゃんと怒りますし、成果を出したときはすごく褒めます。愛を持って面倒を見ることが大切なんじゃないですかね。次世代のドライバーを育てていくことが私の使命だと思ってるので、まっすぐな彼ら彼女たちを一人前のドライバーとして成長させてあげたいですね。

―これからの展望を教えてください。

当社の業務内容には長距離の便も多いので、中継地点となる関東圏や岡山に営業所を立ち上げたいと思っています。居眠り運転などが起きてしまわないように、きちんと働く環境を整える必要があります。他にも、もっと色んな事情をお持ちの方がドライバーとして働ける会社にしたいです。現状ですと聴覚障害のある方が当社には7名、シングルマザーも3名働いてくれています。時間や能力に制限のある方たちがきちんと働けて、稼げる環境を作ってあげたいと思っています。12台から始まった敬愛ラインは今70台になり、2022年には100台を目指しています。人を抱えるためには環境を整えること、それが一番大事だと思いますね。そして、当社ですくすく育った若手社員が、いつかは独立して自身の会社を持てるように支援も行っています。現状4名ほど、そんな熱い想いを持ったドライバーがいるんですよ。私自身も苦労しましたし、経営者には運や人脈も必要。だからこそ、現実的に考えながらこれからもサポートしていきますよ。

会社概要

  • 社名     株式会社敬愛ライン
  • 本社所在地  〒474-0003 愛知県大府市神田町二丁目183番地
  • 設立     平成26年2月25日
  • 代表者名   代表取締役 住 敏治
  • WEBサイト  https://keiai-line.jp/
  • 事業内容   一般貨物自動車運送事業