冷蔵冷凍車・保冷車・箱車とは?各トラックの特徴をご紹介

トラックにはさまざまな種類があります。今回はその中でも、冷蔵冷凍車・保冷車・箱車の3つをご紹介します。街で見かける機会も多いトラックです。それぞれの特徴を1つずつ見ていきましょう。

冷蔵冷凍車とは

冷蔵冷凍車とは、荷物を冷却しながら運ぶことができるトラックのことです。そのため、食品を配送する際によく利用されます。温度帯により「冷蔵トラック」と「冷凍トラック」で分けられます。

冷蔵車と冷凍車で異なる温度帯
・冷蔵トラック 平均して5℃~-5℃を保って走行
・冷凍トラック 平均して-5℃~-18℃を保って走行

お惣菜やアイスクリームなど運ぶ荷物によって、冷蔵車と冷凍車をそれぞれ使い分けますが、冷蔵と冷凍を必要に応じて切り替えられる万能タイプのトラックもあります。また、荷物を積み込むスペースを温度ごとに区切ることで冷蔵・冷凍商品を1度に運べるようなトラックもあります。

冷蔵冷凍車の耐用年数

冷蔵冷凍車を新車で購入した場合、耐用年数は12〜20年と言われています。通常のトラックと比べて構造が複雑なため、寿命が近づいてきたり過ぎてしまったトラックに関しては、「冷えない」などの故障トラブルが発生することもあります。

ちなみに……冷凍車っていつからあるの?

国産冷凍車の登場は、さかのぼること昭和33年。「冷凍輸送は将来の社会のためにも必要」と確信した『福岡運輸株式会社』の女性創業者の働きかけにより、たった2年で国産冷凍車の開発に成功し、運用されるようになりました。

保冷車とは

保冷車とは、荷物を積むスペースに断熱材を施しているトラックのことです。とても大きなクーラーボックスのようなイメージです。ドライアイスや氷などを使って、温度を調節することもあります。

ただし、時間が経つにつれて温度が上がってしまい細かな温度調節ができないため、配送時間が短い場合や温度管理が厳しくない食品を運ぶときに使われることの多いトラックです。

冷蔵車との違い

冷蔵車と保冷車は似ているようで全く異なるものです。簡単にイメージするならば、

・冷蔵車 大きな冷蔵庫
・保冷車 大きなクーラーボックス
といった感じです。配送中に一定の温度を保てるのが冷蔵車。時間が経つにつれて温度の上昇を避けられないのが保冷車。そのため、運ぶ荷物や輸送距離に応じてトラックを使い分ける必要があります。

箱車とは

箱車とは、その名の通り箱の形をしたトラックのことです。荷物を積む部分が箱型になっているので、雨や風から荷物を守ってくれます。一方で温度調節の機能はついていないため、雑貨や日用品、ダンボールなど、温度管理は必要ないけど濡れて欲しくないような商品を運ぶ際によく利用されています。

普段の生活の中でイメージしやすいのが引越しのトラック。1度は見たことがあると思いますが、引越しのトラックも多くが箱車です。

ちなみに、箱車の中にはパワーゲートがついているものもあります。パワーゲートとは、トラック後部についている昇降する台のことです。荷物の積み降ろしが楽に行えるようになります。

最も一般的なものは「アルミバン」

錆びにくいアルミ素材を使用したアルミバンは、日本で最も普及しているトラックの1つです。外からみるとシャッターのような見た目をしています。外側からの衝撃に強いにもかかわらず、アルミ素材自体が薄くて軽量なのでトラックにより多くの荷物を積み込むことが可能です。

アルミバンで配送する際の積み込みは、手積み手降ろしであったり、カゴ台車を利用するケースが一般的です。