自分の力で切り拓いた人生の大切さを伝えたい。私が独立支援を始めた理由とは。

  • 2021年8月19日
  • 2022年9月28日
  • ドラ魂

今回、取材させていただいたのは、株式会社LOOPネットワーク代表取締役の高木さんです。高木社長は自身もドライバー経験を持ち、起業されました。この業界では珍しく、積極的に独立支援を行い、若き起業家のバックアップを行っています。自身の起業経験を活かし、独立支援に力を入れ始めた理由や起業したきっかけ、今後の展望についてお話を伺いました。

株式会社LOOPネットワーク
代表取締役 高木 博康

2009年に会社設立。趣味は旅行。電車が大好きで、旅行は観光よりも電車に乗って本を読みながらビールを飲むことが幸せ。社内外で動くパワースポットと呼ばれており、社長と取引を始めた業者は必ず出世するという噂があるそう。憧れの人は、孫正義。

学生時代から身近にあった物流業界。私自身の経験を活かせると思い独立支援を始めました。

―はじめに、運送会社を起業したきっかけをお聞かせください。

もともとは、18歳から19年ほど現役ドライバーとして働いていました。家業が倉庫業だったこともあり、中学の春休みにドライバーだった親戚の叔父さんに付いて四国を巡ったことでこの業界に興味を持ち、家業の運送部へ就職しました。起業のきっかけは、リーマンショックなんですよ。仕事が減ってしまい困っていたドライバーたちを引き取り、2名で立ち上げた会社はすぐに10人規模まで大きくなりました。従業員を抱えた時点で、腹を括ったというか、会社と従業員を守っていかなければという気持ちになりましたね。

―人手不足が深刻な業界で、独立支援に力を入れ始めたのはなぜですか。

会社を立ち上げて早12年になりますが、7年目になる頃、ようやく経営者として余裕が出てきたような気がします。ちょうどその頃から、従業員の独立支援を始めました。独立支援を始めたのには2つ理由があります。1つは、グループ会社で多くの強みを持つことで、荷主様のニーズに幅広く対応でき、企業として長く生き残れると考えたためです。実際に、今回の感染症拡大時も、1つの会社で業績が悪化したときも、グループ会社で荷量を分けることで仕事を分散できたので、グループ全体で大きく影響を受けることはありませんでした。この業界は若くから独立する経営者が少なく、人脈や知見がないまま開業し、上手くいかないことが多いんですよね。私が独立した時も営業活動や管理職の育成にはとても苦労しました。その経験から横の繋がりを大事にし、助け合いの精神を持つことで、みんながより長く会社を存続できれば、winwinの関係で会社を経営することができますよね。ライバルでいがみ合うのではなく、仲間と共存していくという意識が強いです。現状グループ会社は8社ありますが、直近ではあと2社立ち上げる計画で経営者の卵を現在育成しています。

人生1度きり。恥ずかしがらず「夢」を描ける人であってほしい。

―独立支援のもう1つの理由をお聞かせください。

もう1つの理由は、月並みな言い方にはなりますが「夢を持つこと」の大事さに気付いたからですね。シンプルに言ってしまえば夢を追いかけるのって楽しいし、夢中になれるじゃないですか。私自身、経営者になり、従業員を抱えたことで、お金をたくさん稼いでもらうことだけが私の役目ではないと気づきました。そして、稼ぐことが目的になってしまうと、いつかプレイヤーとしてのモチベーションが維持できなくなってしまう。だからこそ、夢を持つこと、そして稼げる人間に育てることが今の私の役目だと思っています。

―夢を持って入社してくる方って今の時代、少ないと思うのですが…。

決して、入社時から「社長になりたいんだ!」なんて大きな夢を抱いてる方ばかりではないですよ(笑)ただドライバーとして入社して数年経ち業務に慣れてくると、自分のキャリアについて考えますよね。誰もが1度は独立を考えると思うんですよ。でも学がなかったり、資金がなかったりで勇気が出ない。それで諦めるのはもったいないじゃないですか。だから、私はサポートしたいんです。決意した方にはとことん付き合い、しっかり育てますよ。私にも子供が2人いるのですが、21歳になる息子と今一緒に働いているんです。入社してから免許も取得しました。友達と遊ぶより仕事!と張り切っています。少し古風な考えなのは親父譲りかもしれませんが(笑)若い世代でも頑張りたいと思って当社に来てくれる子を全力で応援したいですね。

きちんと休める。ピカピカの新車に乗車できる。そんなドライバーが働きやすい環境を目指しています。

―若手を増やすために、取り組まれていることはありますか。

若年層が会社や仕事を選ぶ基準が年々変わってきていますよね。「稼ぐために泥臭く働く」という時代はもう終わり。根性論は古臭いもの、時代に合わないもの、という共通認識になってきています。土日が休めて、きちんとオンオフの切り替えができるかどうかが、会社選びの1つの指標となってきた。その点、物流業界は365日稼働している業界なので、土日や大型連休を完全に休んでしまうと、単純に会社の売上が落ちてしまいます。人を増やし、休みを確保した分、利益を生み出すためにどうすればいいのか、第一に考えたのは、「防衛運転」を実施することでした。運送会社で一番経費が掛かるのは交通事故の処理です。交通事故を未然に防ぐために、約10年前からディーラーの車検付きメンテナンスパックを導入し、輪止めの全車徹底エコドライブの実施などを開始。今となっては、どれも当たり前の取り組みではありますが、当社のドライバーには防衛運転の意識が徹底されています。また、5年前からトラックをすべて新車に買い替え、今では保有車両すべてが5年以内の新車となりました。「新しいトラックに乗れる」というのはドライバーにとっては1つのステータス。毎日過ごすオフィス空間と同じように綺麗で清潔感のある車両を1人ひとりに乗ってほしいと思っています。若年層が働きたいと思える労働環境を整えることで、当社にも少しずつ次世代のドライバーが増えてきています。

ポジティブに考えればすべて上手くいく。みんなが幸せに働ける会社へ。

―業界に対して課題に思っていることはありますか。

業界としては、DX化や自動運転の普及を進め無駄をなくしていくべきですよね。例えば、ドライバーの長時間運転や待機時間とか、大型トラックの荷積みの時間とか。ここをコンパクトにできれば、稼働時間の短縮ができ、体力的にもラクになるので、働きやすくなる。長距離運転や重労働が減れば、業界イメージもクリーンになるんじゃないかなと思います。

―最後に、貴社の展望を教えてください。

やりたいこと、たっくさんあるんですよね(笑)これからの時代、女性がもっと活躍できる環境を作るべきだと感じています。子育てママも活躍できるように託児所を隣接させたり。
物流業=男社会なんて考えはもう古い。女性の能力をもっとこの業界で活かせないかと考えています。福利厚生の一環でドライバーのために接骨院があってもいいですよね。あとは、事業展開として、倉庫業を始めたいです。グループ社数も増えてきたので、倉庫を持っておけば、ビジネスの幅も広がり、グループ企業に回せる仕事も増えるはず。立てた倉庫は、地元の災害時の避難所としても使ってもらえるようにしたいですね。ちょっと先の話にはなりますが、理想としては事務所や倉庫の周りに大きな桜の木をたくさん植えて、地域の方たちと花見ができるようにしたいです。設立10年を越え、本質見えてきたこともあり、会社だけでなく世の中のためになることをしたいと考えるようになりました。従業員だけではなく、地域の方たちも幸せにできる、そんな企業を目指しています。

会社概要

  • 社名     株式会社LOOPネットワーク
  • 本社所在地  〒496-0038 愛知県津島市橘町3丁目12番地5
  • 設立     2009年11月20日
  • 代表者名   代表取締役 高木 博康
  • WEBサイト  https://loopnet-w.co.jp/
  • 事業内容   一般貨物自動車運送業・貨物運送取扱事業・家庭電気製品の設置取付事業