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トラックドライバー 体験談

何も生まない仕事

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コバンザメ

俺は50代でトラック運転手の仕事をしている。
人と接するのが得意じゃないし、車の運転が好きなので、この仕事を天職だと思っている。
災害があろうが、何があろうか、物流を支える役割があるので、止められないのがこの仕事だ。それだけ「社会貢献度の高い仕事」だが、何も誰かから感謝されたくてこの仕事をしているわけじゃない。言ったように、人と接するのが苦手で、車の運転は得意だからやっているだけだ。
仕事をしていて辛いこともある。この歳になると、体力的にキツく感じることもある。
仕事中はもちろん飲酒は厳禁だが、仕事が終わると、酒が疲れた俺をなぐさめてくれる。明日も頑張ろうという気にさせてくれる。
考えてみれば、トラック運転手の仕事は何かを生産するわけでもなければ、誰かを感動させたり、楽しませることもない。いわば誰かの生産物や感動に、コバンザメのようにへばりついて稼ぐ仕事だ。

辞めない理由

トラック運転手の仕事も、宅配便業界の運転手のように、消費者に直接関わる仕事もある。だが、俺の仕事はトイレットペーパーなどの日用品をスーパーなどに運ぶことだ。俺が毎日会うのは、日用品の倉庫の担当者やスーパーの店員で、日用品を使う消費者とじかに接することはない。
だから社会貢献度の高い仕事と言われながらも、何も社会の役に立っていないんじゃないかと思えることもある。
そんなときに限って「トラック運転手は社会の底辺だ」という声を聞いたりする。トラック運転手の仕事を天職と思っていながらも、さすがにウンザリする。
それでも仕事を続けるのは、辞めると食べられなくなるからだ。アパートを追い出されるからだ。「俺が日用品を運ばないと人々が困るから」と思ってのことじゃない。
それに、俺にとってこの仕事は、やはり楽しい。これも辞められない大きな理由かもしれない。

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